最高裁判所第二小法廷 昭和41年(オ)2号 判決 1966年10月07日
上告人
農坂勝
ほか一名
被上告人
農坂頼男
ほか一名
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告人らの上告理由について。
被上告人農坂頼男が、本件係争地の占有を開始した大正五年頃当時、かりに所論のように一五才位であつたとしても、同被上告人は、その年齢からみて、特段の事情のないかぎり、当時所有の意思をもつて右占有をすることができたものというべきであるから、本件係争地の時効取得の要件である同被上告人の自主占有の始期を大正五年頃であるとした原判決には、所論の違法はない。
その余の所論は、すべて原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断または事実認定を非難するものであつて、その間に所論の違法はない。
されば、論旨は、いずれも採用できない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)